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平日は音楽関係の仕事~週末はCDも出す口笛奏者のブログ17年目。月12回更新継続中!


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著作権とかJASRACとか。演奏権がどうとか・・・。

(注:2/11追記あり)

【そこそこ長文となります。著作権に興味がない人はオススメしません】
・・・ただし、著作権やJASRACに興味のある人は、面白いとは思います。

このたび話題になった
「音楽教室で先生・生徒が演奏することに対してもJASRACはお金を払え!と言う事にした・・・というニュース。

少し前にこのブログでも書きました。こちら

ニュースの解説はこちら

これに関して、新聞や宇多田ヒカルさんはじめお声を上げられる著作者の方も多く、それを読むと音楽著作権を果たしてどこまで正しく理解しているのか?と思わなくもありません
で、ネットも大炎上。
「カスラック」とか「死ね」とか言いたい放題。何か音楽著作権のことがニュースになるたびにネット民をはじめとするいろんな人がJASRACを叩く風潮があります。
「お役所」「天下り」「ご都合主義」「音楽ヤクザ」「お前らが音楽文化をつぶしてる!」・・・一体なぜここまでJASRACはキラわれるのか?は、純粋に研究のテーマとしても興味深い。
ちなみにここ数年、JASRACは役所からの天下りはゼロ。
JASRACは国のお金で作ったお役所ではなく、作家さんたちが作った団体です。

■JASRACとは?
音楽はみんなのもののように見えますが、それを作詞・作曲した人のものなので、その所有者が「使っていいよ」と言ってはじめていろんなところで使うことが出来ます。
でも使いたい曲がたくさんある時にいちいちそれぞれの作家さんのところにお願いに行ってたら日が暮れてしまいます。結果、音楽を使いにくくしてしまいます。JASRACはその共通ルール(使い方や料金)を作って、そのルールに賛同する作家さんや団体を集めて、彼らの楽曲を一括して管理を行なう所です。
作家さんたちの権利と生活を守るために、日本中の音楽を使うところと契約して金額を決めて、それを徴収していきます。集まったお金は、決められた手数料を(JASRACの経費として)引いて、残額は作家さんたちに分配します。そういう団体です。
レコード会社、放送局、楽譜メーカー、配信サイト、喫茶店、ライブハウス…などからお金を集めて「どの曲がどんな使われ方をしたか?」を調査し、その実績に応じて集まったお金を作家さんに分配するのです(大変な仕事です)。
ただ、膨大な数の楽曲を管理しているので、その管理のルールはみんな統一。特別扱いをしようとしてもキリがありません。(多分、宇多田さんの発言はこのあたりに、引っかかると思われます)

ネットで声を荒げている人のほとんどは「無知」もしくは「いたずら」による壁の落書きみたいなもの。
特定の専門知識は普通の人は知らなくて当然ですが、なぜか著作権に関しては知ったかぶりする人が多い。・・・薬品の臨床実験や宇宙にある天体の公転軌道のことで知ったかぶりや感情的になる人は少ないのに、音楽著作権は(感情論も含め)なぜかすぐ炎上します。

一番評判がよろしくないのは「お金の徴収の仕方が強引」とのこと。
強硬に「払え!」と迫るヤクザみたいだ!とか、そのおかげで店が潰れた!とか。
・・・これに関しては何も知りません。ただ、ひとりでも印象の悪い人が居たらネットで叩かれ組織の全てが間違ってるかのように言われる昨今。いろんな意味で丁寧にやってほしいものです。

そしてもうひとつは、「ライブハウスなどで生演奏しても、作詞・作曲者(演奏者自身と同じであることが多い)である自分にはお金が払われて来ない・・・一体どうなっているんだ?」という話。
これはけっこう世の中に出回っている話しで(「演奏権」というヤツです)、それが音楽関係者の方の中でもJASRACに不信感を覚える方がいる原因となっているのです。
「曲を書いてる人にちゃんと支払われてないなら、お金を払う必要はない!」「そんなJASRACなどいらん」「きっとこっそりプールしてるんだろう」なんて声もあったりしますが・・・

■徴収(集金)と作家への分配(支払い)
個人的には、徴収されたお金から「自分に分配が来ない!」という作家側のクレームには合理性を感じますが、そんな状況だからと言って請求に応じずにお金を払わない人達は泥棒と同じです(「払わない」と「払えない」は違います)。それで閉店に追い込まれる店があっても「かわいそうだな」とは思うものの「仕方ないな」と思いますし、それで「お金を徴収すると音楽文化がなくなる」なんて話は、どこの被害者ビジネス?どこの盗人の意見だよ?と思います。なぜなら昔からレコード会社はCDを作るだけ著作権料を払ってるし、ラジオ・テレビ局も曲を流すので著作権料を支払ってます。カラオケなんて30年前から著作権料を支払ってますが・・・文化はなくなってませんよね。それより、作家にお金が回ってこない方が音楽の危機でしょう。
ちなみにJASRACが「金を払え」と裁判するのはよほど悪質なところで、少々の悪質さなら説得やら値下げの提案で済ませる・・・との事です。(裁判するとかなりのお金も労力もかかりますし・・・)

■JASRACは儲け主義?
「JASRACは非営利団体なんだから金儲けに走るな」なんて言う人も多いですが、だったらJASRACに対抗して出来た著作権管理団体のNexToneは「株式会社」という営利企業としてスタートしています。NexToneが株主に払うお金の分まで作家に配分するJASRACの方が、根本的にマシと結論付けるのでしょうか?そんなNexToneに大株主のエイベックス系の楽曲のみならずユーミンやスピッツ、浜田省吾さんなどの大物アーティストの楽曲もJASRACから移されておりますが、彼らは皆様から吸い上げたお金を大資本家に還元してる資本主義の手下・・・と言うことなのでしょうか?僕は全然そうは思いません。どちらもちゃんと合理的な組織だと思います。
JASRACが楽曲を預かるのは3年刻みで、その都度解約するタイミングがあります。「俺の楽曲はみんなのものだ!」という勇ましい声を上げる作家さんもいらっしゃいますが、著作権者は自分の意志で更新タイミングで自分の楽曲を「みんなのもの」にすることもできます。・・・最近の所ジョージさんなんて「好きに使え!」と、ご自身の楽曲を最初からどこにも登録していません。
しかし例えば、JASRACに登録している楽曲はお金さえ払えば、一定のルールのもと自由に使うことができます。しかし一方で作家さんがJASRACではなく自分で管理している楽曲は、ラジオで流すのも譜面にするのもいちいち作家さんに連絡し、使っていいか?いくら払えばいいか?を確認しなければなりません。むしろJASRACのおかげで音楽はみんなのものになっている・・・と言う言い方もできなくもない。

今回、心ある人にはちゃんと音楽著作権の一部をお伝えしたいと思い、自分のブログにアップすることにしました。
今回は「ライブハウスで演奏したのに、曲を書いた自分のところに入ってこない」という問題についてで、その「仕組み」についてご説明いたします。スペースの問題もあり例外的に起こる事件や都市伝説にはあえて触れません。どんな会社もヒューマンエラーがあり、どんなコンピュータもエラーを起こす可能性はあります。それはそれで責められるべきです。
尚、これは最近新聞を賑わせた問題とは違いますのであしからず。ちなみに個人的には今回の音楽教室での演奏権の徴収はなかなか微妙なセンだなぁ・・・と思っており、裁判になって司法の判断を聞きたいなと思っております。
またいくつかの専門用語が出てくるので、ここからは音楽業界の人以外は難しいかも知れません。
そのあたりは申し訳ないです。

■■演奏権の徴収と分配についてまとめてみました。

●JASRACは演奏権における音源使用の場所を、ちょっと乱暴に申しますと「ライブハウス」と「それ以外」に分けています。
●「それ以外」は、BGMとして毎日似たような曲を店内で流しているだろう・・・との仮説に基づき、サンプリング調査を行なっています。方法は四半期ごとに全国200店を抽出して、1店1日に限定して使用楽曲を報告してもらっています。なので年間800店・日の調査でサンプリング調査による使用料楽曲データをとっていることになります。
●「ライブハウス」に該当するお店は毎日極端に違う曲が演奏されるので、サンプリング調査をして報告データにしても意味がないだろう?・・・と言うことで、その代わりに基本的に演奏された楽曲を全曲報告してもらうことになっています。その報告データはサンプリング調査による報告の元ネタではなく、ちゃんとした実績として全て登録されます。
●従って、ライブハウスで年に1回でも演奏されたのに、お手元にJASRACもしくは譲渡先の出版社から使用報告が来ない・・・場合は、JASRACというよりライブハウスの報告に問題があると言えます。
●ライブハウスに該当しないようなところでライブをやっている場合は、恐らく報告は上げられないで分配は受けれないのが現状かと思われます。ただここでの演奏活動をメインにしているアーティストもおり、彼らが被る不利益は問題です。演奏する場所によって分配が受けられるかどうかが左右されることはJASRACが演奏家の活動を制限してるのと同じですから。
●コンサートホールはJASRACと包括契約ができないので、主催者(イベンター)が使用楽曲の報告を行ないます。だいたいがしっかりした会社なのでちゃんと報告してると思われます。
もし、ちゃんと報告されているはずなのに使用報告が来ない場合は、正会員の方ならJASRAC、それ以外は譲渡先の出版社に「報告とお金が入ってこない」とクレームを入れるべきだと思います。

【個人的な感想です】
●JASRACが400人程度の組織で、それで全国レベルで全ての支分権の徴収・分配をこなす・・・となると、現状の演奏権の徴収・分配の運用には一定の合理性を感じます(そりゃ問題がないわけではありませんが)。
さらなるIT化や人員増によって改善はされるでしょうがそれにはお金がかかり、利用者か権利者の負担になります。かかる費用が入ってくるお金よりかかったりすると意味がありません。それで赤字になって(仮に)税金など入れることがあればまた炎上でしょう。
●「包括徴収」か?「個別徴収」か?についての議論もありますが、例えば放送権の現場では包括徴収に大きな問題は生じておりません。それは全曲報告が実施されており、分配がほぼ公正に近く行なわれているからだと考えます。・・・ちなみに包括徴収を否定するなら、サブスクリプションの定額聴き放題サービスに音源を出すことも好ましくない・・・ということになり、Apple MusicやSpotifyは諸悪の根源!ということになります。
なので演奏権の現場も、権利者側が「利用報告に応じて正しく分配されるなら問題なし」と考えるなら、問題は徴収方法ではなく分配にあるのではと思います。
・・・そもそもライブハウスが個別徴収にしたら、使用楽曲報告の手間もままならずに滞っていることが、報告どころか徴収にも問題として及んできます。さらに「あんまり払いたくないので、1曲5分以内でお願い!ソロは短めにね。(5分以上は2曲、10分以上だと3曲という扱いになります)」とか「PD曲を多めにね」などと言う演奏者を制限するような会話も出てくるかもしれません・・・。例えはアレですが、食べ放題の方がたくさん食べてしまうように、包括契約の方が値段を気にせず音楽を使え、結果たくさんの音楽が紹介されるきっかけになると思うのです。
●現在、使用者側から「金額が高すぎる!」とのクレームが多いことを考えると「徴収は個別か 包括か どちらがいいか?」ではなく、包括の料率が問題ではないか?と思います。で、それはつまり権利者へ配分される金額の上下に直結する問題であり、権利者側の議論が必要と思います。JASRACの演奏権における手数料率は昨年から1%下がって25%となっており、入ってきた金額から25%を抜いてそのまま分配原資にするだけですから。(彼らはその原資をとにかく分配して作家側への支払う事が仕事です・・・)。
●仮に、演奏権の現場で、お金が集まって原資は膨らんだのに楽曲報告があまり上がってこないようなら、未分配が起こります。JASRACはそれでは困るので、結局は手元に報告された大きいコンサートの実績が主な参考になってしまっているデータに基づいてでも、未分配の分のお金も分配してしまうのではないか?と思われます。
これが「大物アーティストばかり多くて売れないアーティストには来ない」と言われる原因かもしれません。

【ご提案です】
ご提案差し上げたいのは、演奏者の方・・・特に自身の著作物を演奏される方は、ライブハウスの報告記入を少しだけでもサポートするアクションを起こしてみてはいかがか?と。
それはご自身の楽曲のデータベース化です。
ご自身の作られた楽曲につき、J-OPUS(ライブハウスがJASRACへ報告する画面)の記入事項を、あらかじめエクセルか何かでデータベース化しておき、そこから当日の演奏曲目をピックアップして、プリントアウトして(もしくはファイル化してメールで)お店に渡す・・・とか。
そうすればお店はそれを見ながら画面に打ちこむだけになり、報告が楽になるかもしれません。また、お店も「そこまでやられたら仕方ない。報告しなきゃ!」と思うかもしれません。少なくともそうすることで「報告しよう」と言う気持ちが減っていく店はないでしょう。
アーティストの方はライブ当日はお忙しいと思うのですが、お金のために残業しているサラリーマンも世の中にはおりますので(涙)それを考えてみれば、せめて一度はこのお手間も試してみてはいかがでしょう?と思います。
著作権とかJASRACとか。演奏権がどうとか・・・。_c0051760_1621187.jpg

あるいはJASRACのJ-WID MASTERに、作家ごとの「マイページ」を作れるようにして、作家はそこで自分の作品を一覧で見れるようにし、そこから当日演奏する楽曲を選んで、そのままJ-OPUSのその日に演奏するお店の画面に転送できる・・・とか、そんな仕組みがあれば、かなりお店の入力も助かるかもしれません。(結構なシステム改修の手間と費用がかかるかもしれませんが・・・)
一方「どうもパソコンは苦手」というライブハウスもあるはず。そうなると全曲報告はFAXか何かですることになり、そこには共通のフォーマットがあるはずです。ミュージシャン側もそのフォーマットを持っておき、その日のセットリストをある程度記入したところでお店に渡し、お店に他の部分を記入してもらいFAXしてもらう・・・とか。
何か今よりもちょっとでもよくする方法があると思うのです。

【最後に・・・ですが】
例えば録音権は、メジャー会社は出荷を指定倉庫限定にすることで流通枚数を物理的に正しく把握することを条件に著作権使用料のディスカウントを受けます。
放送権においては、放送局は全曲報告をするのと引き換えに著作権使用料がディスカウントされます。
多分、ライブハウスって、全曲報告しなきゃいけないのにしてないところが多いと思います。してない事に罰則は与えられないなら、する事のメリットを与えられないのかな?とか。
他にもミュージシャンの皆様が自ら店に対して「音楽文化のためです!」「俺の生活がかかってます!」と全曲報告の啓蒙活動を行なうことは絶対必要です。ライブハウスに「時代は変わったのか!」とプレッシャーをかけるのはJASRACだけの責任ではなくミュージシャン側の協力も必要です。(だってそもそもあなたのものなのですよ?)
勿論、JASRACが全国のライブハウスに向けてどれだけ「全曲報告はアーティストのため。音楽文化のため。」という周知徹底を行なったか?は疑問で問題かも知れません。であれば今からでも「全曲報告普及キャンペーン」などをもっとやるべきかと。
放送局の全曲報告の普及まで時間がかかったそうですので(まだやってないところも若干あります)演奏権もこれからの努力。
分配の問題とは「報告の精度」の問題であり、正しい分配は音楽文化も育てるのです。

【本当に最後に】
個人的にJASRACを擁護する立場では全くないのですが、申し上げたいことは・・・
■建設的な話し合いができるよう「俺のところにお金が入ってこない」というミュージシャンの持つJASRACへの誤解を解いておいた方がいいこと
■「自分の収入を守る」「音楽文化を育てる」気持ちがあるなら、JASRAC以外に声を上げなければいけないところがあること
■実はそれはいつも身近で応援してくれているライブハウスなのかもしれないということ

・・・なのです。
ライブハウスの方に申し上げたいのは、
今のシステムでは「毎日の全曲報告」はお店の仕入れを行なったり、帳簿を付けたり、トイレを掃除するのと同じ、やらなきゃいけないことですよ、と。
もし、やらねばならないことを知っていてやってないのであれば「アーティストを応援してる」なんて言える立場ではありません。
彼らに入ってくるべきお金を止めているのはあなたで、儲かっている作家を必要以上に儲けさせているのもあなたです

・・・と言うこと。
これは僕の感情にまかせた意見ではなく、論理的かつ機械的に導き出された結論を・・・誰も言わないから・・・遠慮なく書いただけなのです。おそらくAIに問いかけてもそうなるでしょう。
包括で著作権使用料を払っているだけでは、やるべきことをやってるとは言えません。このプログを読まれたライブハウス関係者の方で、全曲報告を行なっていらっしゃらない方は是非今日から新たなアクションを切にお願いします。心情的には「金払わなくても報告はしなきゃ・・・」と思うくらいです。

でも、道端にごみを捨てないとか、たばこのポイ捨てしない、信号は守る、人のモノを盗まない・・・など、日本人はマナーを守る気持ちが強い国民で、啓蒙活動やキャンペーンでよくなった例がたくさんあります。
著作権保護も、「音楽を大事にしよう」「作家へのリスペクト」という意識付けを広めていくことで、改善されると信じます。
大事なのは、正しい声を上げることと、何かアクションを起こすことだと思っております。




【追記/2017.02.11】
ここに来て、新たに
■「150人未満でのライブハウスでの演奏は、著作権料が払われても著作者に分配されず、全てJASRACが手数料でもっていく・・・」
という話がネットで流れました。→ こちら
■また、JASRACを漫画に例えると・・・とか。ちなみにこれ相当頭の悪い人が書いたようで全然例えられてない。これを信じて拡散してる人もホント著作権無知なんだよなぁ、と。 → こちら

JASRACの件も含めて・・・ですが、ネットでは本当にデマが多く、僕の大学の先輩で尊敬するジャズミュージシャンの三木俊雄さんが、ご自身のfacebookで同業のミュージシャンの方に向けて以下のようにおっしゃっていられます。

--------------------------
僕は別にJASRACを擁護するのもではないんだけど、批判する根拠として「こんなことがあったらしい」という出所とその信憑性が低い情報に乗っかってしまうのにはもう少し気を付けた方が良いんじゃないの、という事です。

「JASRAC の言うことは信用しないけど匿名のツイッターは信用する」という人がなぜこんなに多いのか?本当に不思議です。

ちょっと調べたら分かるようなことでもその手間をかけずに「怪しいぞ!」「けしからん!」という声を学歴も教養も実力もキャリアもあるミュージシャンの方々が上げている風景をこのJASRAC 問題に限らず、随分見てきました。
「ミュージシャンって大丈夫かよ?」って眺めてる人々、結構いますよ。

JASRACに関して言えば、実演データの報告はオンライン化が進む中、未だにに手書きの入力も残っています。かつてはエラーも今より多かったでしょう。
それはJASRAC の落ち度であり真摯に受け止め改善すべき点です。
と同時に我々ミュージシャンも、「誰か調べてw」と言わずにもうちょっと冷静になって出来る範囲で事実を確認した方が良いんじゃないかと思うわけです。
--------------------------

昔は図書館に行かねばならないことが今では画面の前ですぐに見れたりします。ネット社会になり情報が取りやすくなったのに、情報を取りに行くことすら面倒になり、あげくの果てに何もしなくても寄ってくる怪しい情報の中から、自分に都合のいいものだけを信じてピックアップして拡散する人が増えました。
「それ見たことか」
「俺は正しかった」
「みんなに知らせなきゃ」
そうして間違った情報が永遠に世に蔓延り、時に誰かを傷つけています。3.11以降、そういうのをいろいろ見てきました。
ネット上の「情報オレオレ詐欺」に引っかかりまくりです。
僕が今回書かせていただいた専門知識は、ほとんどは誰でも手に入るレベルのものです。
正式文章は少々難しい文章で書いている場合も多いですが、「誰かわかりやすくまとめサイト作ってよ!」と他人任せになり過ぎていませんか・・・?(涙)。そこに「情報オレオレ詐欺」がつけ込むのです。
JASRACの件に関わらず、シェアしたり拡散するときって、一度「これってホントなの?」ってことを疑問に思うクセをみんなが持つと、もう少しいい世の中になるかも?と思っております。
デマをもとに「JASRACいらんわ」とか言ってる人が多く、さすがに「そりゃ違うだろ?」と思います。ただし彼らや彼らの持つシステムも間違いや勘違いがあります。それが本当ならちゃんと責めましょう、と。
そうやってみんなの著作権の意識が高まればと思います。

・・・それにみんなが正しい知識を付けると一番困るのはJASRACなのかもしれませんよ?
JASRAC嫌いの人こそ、一度ちゃんと音楽著作権とJASRACの規定を研究されてはいかがか?と思います。

このブログも相当大雑把に説明しておりますが、間違っているわけではなく、相当わかりやすくJASRACを説明しているはず。よろしければ多くの方に見てほしいと思っております。よろしければシェア、拡散などをお願いいたします。より建設的な議論のためと、正しく興味を持つ人が少しでも増えればと。

お説教臭くてすみません。
かく言う私も、昔は血眼でレコードをしつこく探し続けたのに、今ではネットで見つからなきゃ簡単にあきらめるようになりました。
過去には無責任な情報シェアや誹謗中傷をしたことだってあるネット依存症です。
いろんな自戒の念もこめて。




by t_yana | 2017-02-08 21:47 | 音楽 | Trackback | Comments(9)
Commented by 町田光彦 at 2017-02-10 14:41 x
作ってくれた人がいるから、心が震える唄を聴く事ができます。その作者の著作権に対価を支払うのは当然のことだと思います。それが嫌なら聞かない事ですよね!
Commented by t_yana at 2017-02-10 14:54
町田さま
初めまして。RESありがとうございます。
音楽はとても身近なので、時としてそれが「誰かのもの」という意識を希薄にしてしまうのかもしれません。
それっていいことでもあり、そうでないこともあり・・・。
でも啓蒙や教育は必要ですね。
Commented by davesuzuki at 2017-02-10 16:26 x
facebookでシェアさせていただき、そこに書いたコメントです。

『全面的に同意できる内容です。

「JASRACなんてなくなればいい」なんて言っている人は無知も甚だしく、おそらく著作権に関わりのない人でしょうね。もし本当になくなったら、曲ごとに許諾先がかわり、制作側はそれだけで人権費が増大しますし、当然それは商品のコストに跳ね返ります。JASRACがあるから自分も楽に仕事ができます。

包括契約についても勘違いされている方が多いのは、包括契約に関わっていないから。うちはストリーミングで包括契約していますが、毎年1回レポートを出すんです。大変な作業ですよ!なので、包括だから権利者に支払われないと言うことはないんです(実情は正確にはわからないけど)。

まぁ、しかし、JASRACの管理していない曲(オリジナルや、即興大会でメロなし)まで金を取るのは確かにおかしいです。そういうところちゃんとして金にきれいになってくれれば、僕は(極論ですが)JASRACだけあれば、日本にはほかの著作権団体はいらないと思うくらいです。』
Commented by t_yana at 2017-02-10 16:49
Davesuzukiさま
初めまして。RESありがとうございます。
JASRACがあるから楽曲利用が進む・・・というのはホントそうなんですよね。
今回の件も、お金が徴収される・されない・・・が、あたかも何だか、使用許諾が出る・出ない・・・と混じってしまってるような居心地の悪さです。
ただしルールが増えていくとルールの隙間が出来て例外が多くなり、不利益を被る人が権利者・利用者ともに出てきます。
そういう人たちに気遣いのある団体で会ってほしいと思いますね。
Commented by 通りがかりの住民 at 2017-02-10 19:04 x
わかりやすい説明でありがとうございます。
ただ一つだけ違ってるような気がします。
はるか昔私がプロモーターで、何人かのコン
サートをやったりPAとして働いたことがあります
その時に泉谷しげるさんや松山千春さん吉田拓郎
さんが自分が作った歌でもJASRACに登録したら
コンサートで自分が歌ってもその分の著作権料の
支払いが生じると話してました。印税か放送権料など
と勘違いしてませんか?JASRACが徴収したものは
作曲家などには支払われません。
Commented by t_yana at 2017-02-10 19:19
通りがかりの住民さま。
初めまして。RESありがとうございます。
上記の件ですが、大雑把に申しますと、コンサートにおけるシンガーソングライターは、歌う…という著作物を「使用する」立場と、自分の著作物を使ってもらった「権利者」の2つの立場を持つ人となります。
なのでコンサートで歌うことの著作権使用料は払わねばなりません(実際に払うのは主催者のイベンターさん)で、そのお金がJASRACに行き手数料を引かれて音楽出版社に回ってきて、そこでも半分ほど引かれてようやく何ヶ月後かにご本人に支払われます。ややこしいですね…。
Commented by at 2017-02-11 09:30 x
25%という数字の合理的な(ある程度多数の人たちを納得させる)根拠は明示されているのでしょうか。
あと一定額以下の徴収金?はすべて運営費にまわされて音楽家には還元されないと聞いたことがありますが、これはネット上のデマなのでしょうか。
Commented by t_yana at 2017-02-11 10:09
某さま。
RESありがとうございます。
演奏権のJASRAC手数料が25%である根拠につき、申し訳ありませんがJASRACの関係者でもない私にはわかりかねます。
録音権が6%、放送権が10%で、何となく徴収・分配も手間は2〜3倍くらいかかってそうだなぁ…などと素人ながら思ったりします。
また某さまが素晴らしいのは「一定の金額以下〜」について、検証もせずやみくもに騒ぐのではなく「デマなのか?」と疑問に感じていらっしゃることです。
私は明確にデマだと聞いております。デマも「言って拡散したもん勝ち」の世の中。気をつけたいものですね。
Commented by ふむ。 at 2017-02-18 01:14 x
分かりやすい内容でした。
自分も何となく「JASRACは悪」みたいな風潮に流されて来たんですが、こちらの記事で「なるほどね!」となりまして、読んで良かったです。
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